平成26年度第2回目の例会です。今日は、さいたま市の先生が8名、さいたま市以外の埼玉県内の先生が5名、学生さんが2名の参加でした。
最初のテーマは、音楽の授業と音楽のかかわる学校行事の実態について、参加者がそれぞれの学校の実情を報告し合いました。
各学校の実態は様々で、毎秋の校内音楽会を目指して、1学期のうちから練習が始まり、それが終わると卒業式や卒業関連行事の練習になってしまい、年間指導計画で示したカリキュラムがほとんどできないという学校もありました。管理職の先生方や担任の先生方からの校内音楽会や卒業行事に向けての強い要望を断ることができず、音楽の授業が、行事の成功だけを目指した「練習」に終始してしまっているという実態が、多かれ少なかれあるようです。
「練習」に終始する音楽の授業には問題があります。例えば、学年で器楽合奏をやる場合を思い浮かべてみましょう。100人前後の大集団の中で、何時間もリコーダーで主旋律を演奏している姿は、学習指導要領の求める「思いや意図をもって試行錯誤しながら主体的に音楽表現に取り組んでいる姿」には、なかなか結びつきません。小さなグループで、「ああでもない、こうでもない」といいながら、〔音楽の素〕を自ら操作して、音楽のよさや面白さを自ら味わっていく姿を、音楽室では追い求めたいものです。
それでも、参加者の先生方の中には、学習指導要領の内容をしっかりと押さえながら授業を展開し、少ない準備の時間で内容の濃い校内音楽会を実践されている先生の事例も紹介されました。この先生のところは、1年生から音楽専科が音楽の授業を受け持って子供たちを育てていること、1学年の人数が少なく、音楽会へ向けての学年練習であっても〔音楽の素〕を支えとした授業が展開できていること、年間指導計画に音楽会に向けての準備の時間がしっかりと位置づけられていること、市販されている楽譜を使う場合も子供たちの実態に合わせてアレンジし、技能面でのハードルを低くしていることなどが、授業と音楽会が両立している理由として報告されました。
学校の1つの特徴として位置付いている校内音楽会や卒業式の在り方を変えていくのはたいへん労力のいることですが、学習指導要領の内容を実現するための授業をしっかりと確保するために、まず始めてみようということがわかってきました。
・音楽会準備の授業時数、授業内容を年間指導計画の中に明確に位置づけること。
・管理職の先生方や担任の先生方に、学習指導要領の内容を実現するために授業の時
間の確保が必要であることを訴えていくこと。
・学習指導要領の内容を実現しようとする授業と音楽発表を直接結びつけることがで
きるような実践を考えること。(小アンサンブルの集合体を音楽会のステージで発
表するなど)
今回のテーマは大きな課題であり、学校の実情もまちまちです。こうすれば解決!というものはありませんが、音楽の先生が子供たちの音楽的な成長をしっかりと考え、その考えを学校の中で周りの先生方に発信していくことが大切だと思います。