今日は、ほとんどのメンバーが、金管楽器を持って初めて音を出すという金管バンドの指導のお手伝いをさせていただきました。
少ない練習時間の中でも、この1年の最後には、金管楽器を使って音楽をする喜びを得ることができるようにしたいと指導の先生はお考えです。そのお手伝いをさせていただく第一歩が今日のレッスンでした。
最初にお話をしたのは、姿勢のことです。
正しい姿勢を保持する目的は、単に、息の通りをスムーズにするためだけではありません。
私が、姿勢を良くすることで、子供たちに最も訴えたいことは、「背骨の上に脳をしっかりと置いて、脳細胞がたくさん働く状態で楽器を練習してほしい!」ということです。
管楽器を演奏するという行為は、目で楽譜や指揮を見ながら情報を収集し、耳からも他の人の音や自分の楽器から出ている音の状態を把握し、それらを脳が瞬時に判断して、指やお腹、のど、口、唇などに神経を使って指令を送って操作するという、たいへん複雑な行為であると思います。
そのためには、脳細胞が最も働きやすい状態でなくてはなりません。
私は、「姿勢を良くしましょう!」という指示を、マナーや見栄えの面からではなく、脳の活動の面から大切なことであるという話を子供たちにしました。
姿勢が確認できた後には、
・楽器の正しい持ち方
・金管楽器は、「吹く」という意識ではなく、まず「唇を振動させる」という意識
をもつためのバズィングの練習
・マウスピースだけでの音だし
・1つの音を5秒くらい延ばす練習
・ド、ソ、高いドの3つの音を出す練習
と進んでいきました。
45分の練習時間でしたので、内容が多すぎるような気がしましたが、子供たちはどんどん練習して良い音がでるようになってきました。
中でも、今日初めて音を出したユーフォニアムの男子は、とても柔らかい音が伸び、3つの音もきれいに出るようになり、1オクターブの指遣いまで練習してしまいました。
ビックリです。
今日の学校の子供たちは、とても温かく、穏やかで、子供らしい子供たちでした。私の話を真剣に聴いてくれて、姿勢も構え方も、すぐに理解して実践してくれます。楽器を吹くことに夢中になってだんだん姿勢や構え方が崩れてきたとき、こちらが指摘をすると、笑顔ですぐに正しい姿勢に戻ります。
練習の後も、子供たちが個別にやってきて、とてもフレンドリーに挨拶をして帰って行きました。
たいへんさわやかな、後味の良いレッスンでした。
一生懸命練習をしてくれた子供たちと、このような機会をくださった先生方に心から感謝しています。