平成26年度第3回の例会に、12名の先生方の参加がありました。本日のテーマは、「金管バンド・吹奏楽の指導のお悩みごと」でした。
各先生方から出されたお悩みごとは様々でした。
(運営面)
・楽器が不足しているのになかなか買ってもらえない。
・楽器購入や修理などの音楽のために使いたい部費を、保護者会の方で、差し入れなどの飲食に使われてしまう。
・習い事などとの両立ができず、せっかく入部したのに続けられない子がいる。
・課外活動を組織できず、週1回のクラブ活動でしか練習ができない。
・金管バンドの部員が校内で問題を起こすので、肩身の狭い思いをする。
・リーダーシップをとる上級生が育たない。
・生徒指導上の課題を抱えている部員の指導が難しい。
・負担の多い市の行事に強制的に参加させられる。
(技術面)
・楽譜が読めない。楽譜通りになかなか演奏することができない。
・硬く、苦しそうな音のまま吹き続ける子の指導が難しい。
すべての課題に一つ一つ回答を出していくことはできませんでしたが、参加した先生方の中から、ヒントになるような実践事例も出て、有意義な会となりました。
例えば、「上級生のリーダーが育たない…」というお悩みに対しては、中学校で素晴らしい活動をしている吹奏楽部を指導している先生から、「中学生でも、毎年、噛んで含めるようにリーダーとしての行動の仕方を一つ一つ教えている」という事例の紹介があり、育つのを待っているのではなく、粘り強く行動の仕方を具体的に教えていく必要があることを確認しました。
最後に、熱田から、いろいろな障害はあるでしょうが、それらを乗り越えていくためには、各バンドごとに、「魅力的な本番」が用意されていなくてはいけないと言うことを強調してお話しさせていただきました。
金管バンドや吹奏楽の課外活動に子供たちが参加してくれたなら、必ず、「参加して良かった」と心から思う活動にしなければなりません。これは、指導するの教師が肝に銘じておかなければならないことです。
当然、音楽集団なのですから、真剣に練習してきた音楽を、音楽的に整った環境の中で、仲間と気持ちを合わせて表現し、聴衆と音楽のすばらしさを共有し合うといった、音楽の本質的な喜びを味わう場面で、「参加して良かった」という思いをもってもらいたいものです。
例えば、卒業時期の自主開催のコンサートを充実させることで、「あんな感動が味わえるなら…」という思いを子供たちがもち、お稽古事や遊びよりもバンドの活動に打ち込むようになるでしょう。また、保護者も「我が子があのように素晴らしくなって卒業していけるなら…」と思って、様々な協力をしてくれるようになるでしょう。
音楽を通して大きな喜びを味わうことのできる本番を設定することで、今抱えている運営面での問題の多くが解決してしまうかもしれませんね。
最後に、田川伸一郎先生が指導されていた市川市立大柏小学校吹奏楽部の定期演奏会のエンディングの感動的なシーンを視聴して例会を閉じました。
(いずれ、田川先生のご許可をいただいて、このコンサートを全部通して鑑賞したいと思っています。)