先日、個別駆け込み寺で、4年生の「もみじ」を主教材とした題材の指導案検討をしました。ご相談者の先生は、1時間以上もかけて、県内の遠い地域からおいでくださいました。
個別駆け込み寺のお申し込みがあった際に、「指導書に書いてあったのですが、歌唱共通教材は、原則として、題材の中では扱わないのですか?」というご質問がありました。
私は、「いったい何のことだろう?」と思っておりましたら、教科書会社の出している教師用指導書に、確かに、歌唱共通教材を「原則として、題材に入れない」という趣旨のことが書かれていました。
それをお読みになって、この先生は、「もみじ」を中心教材として、「音の重なり」をキーワードに題材を組みたいのだけれど、題材の中で扱えないのであれば、どうしたらよいか…、とお悩みなってしまったようです。
この教科書会社の教師用指導書に書かれていることは、あくまでも、教科書の誌面を構成する上での、教科書会社の方針のようなことです。
この教科書は、歌唱共通教材が「季節の歌」のような形で示され、愛唱歌や今月の歌のような形で、それぞれの学校で工夫して扱って欲しいという願いのもと、特定の題材に組み込むことなく、誌面が構成されています。
でも、「原則として題材に入れない」などと書かれると、ドキッとしますよね。
必ず題材と切り離して、単独教材として扱わなければならないのか…、などと考えてしまうのも無理のないことだと思います。
第4学年歌唱共通教材の「もみじ」は、二部合唱の導入として、とても、教材性に富んだ楽曲です。私も、現役の時、学習指導要領に示された「A表現(1)歌唱 エ」の内容をしっかりと学習する題材の中心教材として、「もみじ」を扱ってきました。
この日の検討では、伴奏付きの楽譜から、主な旋律と副次的な旋律の重なり方、音符の長さ、強弱、伴奏の動きなど、曲を作った方、編曲した方からのたくさんのメッセージを読み取ることのできました。それらを子供たちと一緒に見つけ、そのメッセージが聴く人に伝わるように、耳と心を働かせて歌っていく…。そんな流れを考えていると、相談者の先生からは、どんどん指導のアイデアが出てきて、「早く授業がしたい!」という気持ちが強くなっていきました。
子供たちに、音楽をする喜びを心から味わってもらいたいという情熱をおもちの素晴らしい先生です。
こんな先生と一緒に音楽をすることのできる子供たちは幸せです。
10月に研究授業にお伺いしますが、その日がとても待ち遠しくなる、指導案検討でした。