さいたま市や埼玉県の多くの小学校は、明日、3月24日が卒業式です。
今年は、さいたま市内、埼玉県内、そして、県外の学校、全部で12校にお伺いして、卒業式に向けた歌唱指導をさせていただきました。
どの学校も発声に関する指導がしっかりできていたので、歌声の使い方から指導をはじめるのではなく、どのようにして歌に自分たちの思いを込めてうたうのかという段階からの指導ができました。
卒業式で歌う楽曲は、ひと頃は、「旅立ちの日に」ばかりの様相を呈していましたが、最近は、バラエティーに富んだ選曲で、「子供たちとともに選曲しました。」という学校も増えてきています。
私は、卒業式で歌う合唱曲を指導する際、次のようなことを中心に指導をしています。
・緊張した中で、合唱隊形でもない卒業式の座席で歌うことの歌いにくさをまず理解して
あげます。
・卒業式で歌を歌う意味を確認します。
・私たちが使っている声を、「独り言」「日常会話」「表現するときの声」の3つに分け
ます。これらの声は、使いどころを間違えると役に立たないという話をし、「歌は、日
常会話の声でなく、表現するときの声でいきましょう!」ともっていきます。
・頭声的な発声で歌えていない場合は、発声を指導をします。
・顔の使い方、特に、上アゴに意識をもたせた歌い方を指導します。
・音の伸ばし方、ブレスの位置などを全員で共通理解します。これが甘いと、声が減って
いく原因になります。
・指揮者がいない場合は、ピアノの音を少し増やして、歌が入りやすくするような工夫も
します。
・体育館中に広がって歌った後、定位置に戻って歌う練習をして、みんなで歌うことの良
さを確認します。
・子供たちの中をまわって、表現する歌い方のできている子供たちを賞賛します。
だいたい、こんなことをしていると、あっという間に1時間練習が終わってしまいます。
今年まわらせていただいた学校は、どの学校も子供たちがとても明るく、さわやかで、たいへん気持ちよく練習をさせていただきました。
複数回行っている学校では、駐車場に車を止めて車から降りたとたん、教室の窓から、「熱田せんせ~い!」とフレンドリーに呼んでもらったり、職員玄関で前回の練習の感想を言ってもらったりしました。「やっぱり、学校はいいな~!」と心から思います。
また、日頃から、音楽の先生と楽しく、よい関係の中で音楽を楽しんでいるからこそ、このように私にも明るく、楽しく接してくれるのだと思います。
明日の卒業式で、どの学校も、子供たちの思いのこもった素晴らしい歌声が響くことを心から願っています。
指導にお招きくださった学校の先生方、児童の皆さん、楽しい時間を過ごさせていただき、本当にありがとうございました。