鍵盤ハーモニカの指導について

 先日、会員の先生から、鍵盤ハーモニカの指導に関する質問が届きました。初めて1年生の音楽の授業を指導するということで、鍵盤ハーモニカの指遣いの指導をどこまでやったらよいのかとご相談を、メールでいただきました。
 私の返信を以下に紹介いたします。
 
   おはようございます。

 返信が遅くなりまして申し訳ありません。鍵盤ハーモニカの指遣いについてのご質問についての回答です。

 

 今回の学習指導要領の改訂で、「音楽的な見方・考え方」がクローズアップされています。音楽の学習のどの場面を切り取っても、子供たちが生涯にわたって音楽を楽しんでいくことができるような「音楽的な見方・考え方」が形成されなければなりません。

 

鍵盤ハーモニカの学習を通して、

「鍵盤楽器の演奏では、指遣いが楽譜の指定通りに演奏できなければ価値がない」と言った「音楽的な見方・考え方」が形づくられることはよいことととは思えません。

「鍵盤楽器の演奏では、よりよい音楽ができるようにと楽譜に指遣いが記されているのであり、指定通りに弾くと一般的には弾きやすいけれど、あくまでもよい音楽を表現することが重要である」といった「音楽的な見方・考え方」が子供たちの中に形成されるべきではないでしょうか。

 そして、なにより、指遣いにこだわるあまり、鍵盤楽器の演奏が嫌いになってしまう子供が出るのは、絶対に避けなければなりません。

 

  私は、こんな考えをもって、鍵盤ハーモニカの指遣いは、指導はしましたが、徹底はしませんでした。指遣いができることよりも、美しい音色で演奏する感覚、みんなと合わせて演奏する感覚、一緒に合奏して楽しさを感じることの方を優先して、子供たちと授業をしてきたつもりです。

 

 低学年の指導はたいへんですね。

 駆け込み寺の副代表の小梨先生が「教育音楽」誌に連載している低学年の指導方法をぜひ参考にしながら授業を進めてくださいね。

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